ちくわの"ぐ"

降幡 愛さん、ラブライブ!サンシャイン!!、ポケモンなどなど

SIDE B の電話番号 ~降幡 愛 2ndミニアルバム『メイクアップ』考察

みなさん、こんにちは

 

ちーくゎーさーです

 

 

皆さんは降幡 愛 2ndミニアルバム『メイクアップ』、もう購入できたでしょうか。

 

 

 

 

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購入しましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

茶番はここまでにして (購入してほしいは本当)、今回の円盤は前回アルバムの Moonrise よりも更に "凝った" ラインナップとなっていました。

 

その中でも特に疾走感のある曲がこちら。

 

 

 

 

 

 

SIDE B

 

 

 

メイクアップのブックレット後半にも掲載されているのですが、とある曲のB面曲として作詞されたそうです。SIDE Bの歌詞はこちら。

 

 

 

となりを独り占め Every Night

幸せを感じて   尽す悦び

ずっと望んでいた

温もり (あい) を知れたのだから

 

SIDE B

優しい眼差し いつまでも繋ぎとめたい

Don't take my love

永遠に夢中

 

悲しみはやって来るはず

 

 

彼は手をあげる Why to do

青あざを隠して 赦す毎日

ただひたすらに

時間に身をまかせる

 

SIDE B

優しい眼差し いつまでも繋ぎとめたい

Don't take my love

永遠に夢中

 

悲しみはやって来るはず

 

 

知らない女の Telephone Number

愛してる振りして 乱す表情

ワタシみたいにならないで

 

 

SIDE B

優しい眼差し いつまでも繋ぎとめたい

Don't take my love

永遠に夢中

 

悲しみはやって来るはず

 

 

DEAR Y

優しい忠告 彼には気をつけなさいよ

Don't stop my love

永遠に夢中

 

悲しみはやって来るはず

歌詞 : 降幡 愛 2ndミニアルバム『メイクアップ』より「SIDE B」

 

 

 

そして、そのとある曲の歌詞がこちら。

 

 

 

鳴り止まないコールは公衆電話からの非通知。

手の震えを抑えながら、棘を交わす。

彼女は私のこと気に入らないみたい。

 

もう、YADA・YADA・YADA・YADA

だから、YADA・YADA・YADA・YADA

 

P.S. 彼を渡さないわ

 

いい加減にしてよ。もう終わった話じゃないの。

しつこい女、未練がましい、理由は簡単。

彼女は私のこと気に入らないみたい。

 

もう、YADA・YADA・YADA・YADA

だから、YADA・YADA・YADA・YADA

 

P.S. 彼は選んでいるわ

 

会社に届いた封筒に

目を走らせる毎日

中身は"嫌がらせのパズル"

 

もう、YADA・YADA・YADA・YADA

だから、YADA・YADA・YADA・YADA

 

P.S. 彼を渡さないわ

歌詞 : 降幡 愛 デビューミニアルバム『Moonrise』より「Yの悲劇」

 

 

 

どう考えてもYの悲劇のB面曲ですねありがとうございます。

 

 

 

SIDE Bをもっとも印象づけているのは、何よりも電話の音でしょう。

曲をかけてみますと、まず電話の発信音から始まります。次にイントロがはじまり後ろでは接続音が鳴り響きます。そこからは何度か発信音と接続音が登場、更には電話番号を打ったときの音まで現れます。

 

 

www.wdic.org

 

 

DTMFって言うんですね。初めて知りました。

 

そしてアウトロは接続音とDTMFがひっきりなしに鳴り響き、そして最後はDTMFだけになってしまいます。そして接続音以外ない緊張感のなか、受話器を取る音と「もしもし」という声。そんな声も受話器を戻され切られてしまいます。

 

 

このことから、SIDE Bは電話をかけるところから始まり、切られることで終わる、電話が裏の主役とも取れる曲なのです。勿論主人公は電話をかけている人なのですが。

 

 

 

そんな印象深い電話曲なのですが、聴いた方は気になったことがあると思います。

 

 

 

 

 

 

 

電話番号、いったい何番だったんだろう

 

 

 

 

 

 

 

少なくとも音はあるので何かしら番号は存在してるはずです。しかし、ヒントはその音だけです。どこかにインタビューで答えが載ってる訳でもラジオのお便りで触れられた訳でもありません (2020年12月31日現在)。

 

また、もしかしたら電話関係で情報を揃えたら何かしら面白い考察が得られるかも知れません。

 

 

 

そこで、今回の記事は SIDE B の電話番号解析とその方法そこから分かることや他の電話に関する情報をまとめてみました。

 

 

目次

 

 

 

 

 

1. 解析方法と結果

電話番号によって、音の高さは決まってます。これは番号を実際に打ち込めばわかると思います。また、先程のDTMFの解説によると規格が存在し、2つの周波数の合成音だそうです。

 

 

www.wdic.org

(再度引用)

 

しかし、筆者は音感にあまり自信がありません。なので人力はあまりしたくない。

 

 

 

そこで、思い切ってソフトに解析させます。

 

 

 

2つの周波数の合成音だと分かってる以上、スペクトル解析を行って2つくらい顕著なスペクトルを発見してしまえばいいのです。ちなみにスペクトルというのは、周波数の強度だと思ってくれればいいです。

 

 

今回、解析には音声編集フリーソフトAudacity」を使用しました。

 

forest.watch.impress.co.jp

 

解析手順は以下の通りです。

 

  1. ファイルを開く (SIDE B.mp3)
  2. DTMFの鳴る、該当箇所に拡大する (4:19.0 – 4.21.5 付近)
  3. 1音目 (4:19.390 – 4.19:517) を選択
  4. 解析(A) → スペクトル表示(S) を選択
  5. 2つの「山」にカーソルを当てるとだいたいの周波数が出る
  6. 3. を次の音で → 再描画(R) → 5. を繰り返す

 

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試しに1音目に対して行ったところ、上画像のように 944 Hz、1338 Hz の2音が解析できました。

 

DTMFにおいて「0」が 941 Hz、1336 Hz に該当するので、電話番号の最初は「0」であると考えられます。

 

 

このように解析していくと、次の表のような結果が出ました。

 

 

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よって、SIDE B に登場する電話番号は

『040 468993899』

と解析できました。

 

 

 

 

2. 電話番号からわかること

電話番号には幾つか設定にルールがあります。まずは最初の数桁、特に3桁に注目すると固定電話か携帯電話、PHSかがだいたい分かります。

 

0AB (A、B : 定数) の場合は固定電話、0A0 の場合は携帯電話あるいはPHSになります。

www.soumu.go.jp

ですので、Y側の電話は携帯電話になると考えられます。

 

 

更に「040」という並びは他にも意味をもたらします。

 

最初は自動車電話に030番を使用し、加入者番号は5桁しかないので最大でも10万加入者分でした (試験用の番号や、解約直後で寝かしておく番号などがあるため、 実際に使える番号の数はこの7~9割ぐらいになります)。昭和61年(1986年)9月1日に040番が追加になりました。

出典 : 携帯自動者電話番号の変遷

 

自動車電話加入者の増加とIDOやセルラー(今のAUの前身)の事業開始のため、 昭和63年3月17日からはCDコードを事業者と加入者の識別に使用する準地域無指定方式が導入されました。 料金は160km以内と160km以遠の2段階制で課金上の距離区分を区別するために 030と040が使われました。 この方式では、発呼者は自動車携帯電話加入者が160km以内いるかどうか予想してダイヤルし、 間違っていると「030を040に変えて、おかけ直しください」といった内容のトーキーが流れました。

出典 : 携帯自動者電話番号の変遷

 

 

ショルダーホンとして携帯電話のサービスが開始された時に採用された。

 

当時のそれは、現在と方式が大きく違い、当時は160km以内の携帯電話に掛けるときには030を、160kmを超える場合には040を付けて発信しなければならなかった。番号が不足してからは080/090も追加されたが、これも同様である。

 

この方式が廃止され現在のようなスタイルになったのは1996(平成8)年10月頃からである。

出典 : 040 ‐ 通信用語の基礎知識

 

つまり、「040」であるということは『1986年9月1日以降或いは、1988年3月17日以降かつ160km以上先の携帯電話』に対してかけていることを意味します。

この160 kmというのは、東京駅を起点にするとだいたい下諏訪駅 (長野県南部) くらい。或いは名古屋駅から神戸駅

 

つまり、Yの悲劇は1980年代のごく限られた期間か、1990年手前の遠距離二股とかいう設定の濃さが伺えるのです。

 

というか当時の携帯電話、基本使用料が2.6万円、通話料金100円/分かつ自動車搭載前提のレンタル品なので、だいたい役職が上の人の社用車前提。Yさん、もしかしたら相当やり手のバブリーなビジネスウーマンだったのかも知れない。

 

 

 

しかし、気がかりな点もあります。

 

 

 

この電話番号の桁数は12桁なのですが、2020年現在で12桁以上の電話番号は日本には存在しません。

 

www.wdic.org

 

更に1980年代は専ら10桁です。固定電話に限っては首都圏なら9桁。存在する番号だったらそれはそれで良くない気もしますが、12桁にもなるとかなりフィクションの色が強いです。

 

しかし余分な下の桁は実際に発信すると省略されるので、もし「99」を無効と考えるなら「040 46 89938」が本当の番号です。なぜ「99」も入力したのかは気になります。

 

 

 

また、040に続く2桁の番号にもフィクションが隠されています。この2桁は事業者識別コード、事業者番号と呼ばれています。この番号によって現在でいうソフトバンクDocomoなどの事業者や地域などが特定できます。

 

NTT DoCoMoテクニカル・ジャーナル Vol.2 No.3 Techno Box 「移動通信網の番号計画 (その2)」に掲載されている表1 (ただし、平成6年8月現在とある) によると、040に続く番号「46」は “存在しない番号” とされています。

 

4D (D : 定数) の番号がすべて存在しないことから、この電話番号は意図してフィクション化させた番号と考えられるのではないでしょうか。

「040」も「4D」も「12桁」も、偶然にしては出来すぎています。

ちなみに D=6 の場合すべてを表1で見ると、地域は関西、北陸、中部圏となります。どの地域も東京からだいたい160km以上遠くにあるので、もし1988年以降の時代設定だとしたら舞台も絞られそうですね。

 

 

 

少なくとも、降幡さんの楽曲は80年代、特に後半をイメージしていることが多いので、「040」を軸とした時代考察はだいたい則していると考えてもいいと思います。

 

 

 

 

 

3. 電話のほかの話

「Yの悲劇」と「SIDE B」の歌詞からも、いくつか分かることがあります。

 

鳴り止まないコールは公衆電話からの非通知。

歌詞 : 降幡 愛 デビューミニアルバム『Moonrise』より「Yの悲劇」

 

知らない女の Telephone Number

歌詞 : 降幡 愛 2ndミニアルバム『メイクアップ』より「SIDE B」

 

 

実は歌詞に出てくる電話関係はこの2つしかないのですが、先程の話も含めると色々と起きていることが分かります。

 

 

まずは「知らない女の Telephone Number」。Yの悲劇側の女をY、SIDE B側の女をBとすると、BはこのタイミングでYの存在と電話番号を知ったことになります。勿論、自身の電話からは起きえないことなので彼氏の電話からでしょう。

 

このことから時系列は「SIDE B」→「Yの悲劇」となるし、一方的にBがYに電話をかけるシチュエーションが想像できます。

更に「公衆電話からの非通知」とあるので、先程の考察から「Bが公衆電話でYの社用車の携帯電話にかけている」という構図が浮かび上がります。ほんまか?

 

 

また、「鳴り止まないコールは」といった歌詞も「SIDE B」の接続音の回数から、その執拗さが伺えます。

 

「SIDE B」において、最後の電話が切れた後を除いて発信音は5回、接続音は11回、DTMFは7回鳴っています。

回数自体は深い意味は今回考えませんが (Yの悲劇みたいに108回のYADAみたいな話はあるかも)、決して少ない回数の接続音ではないので、Bは相当しつこくYにコールしていたことが伺えます。

本当に携帯電話なら通話料金も馬鹿にならないので、相当迷惑です。

 

あと、Yの悲劇で「会社に届いた封筒に」と歌詞があるので、Bの嫌がらせはだいたい職場で起きている可能性が高いです。何が優しい忠告なのだろうか。

 

 

 

 

 

4. まとめ

ここまでの考察がすべて真だとすると、電話関係で以下のことが判明しました。

 

・電話番号は「040 468993899」

・「040」から、以下のどちらかが確定する

              ・1986年9月1日 ~ 1988年3月16日

              ・1988年3月17日以降かつ、Y⇔B 間は160km以上

・「040」から、Yは携帯電話を使用している (当時、携帯電話は高価)

・「46」から、これは架空の電話番号である

・「46」の「4」を含む携帯電話番号はすべて存在しない

・「46」の「6」から、Y、Bどちらか或いは中部から関西在住の可能性がある

・12桁の日本の電話番号は存在しないので架空

・もし番号が10桁ならば「040 46 89938」

・Bが公衆電話でYの社用車の携帯電話にかけている

・楽曲の時系列は「SIDE B」→「Yの悲劇」

 

 

 

 

 

5. あとがき

筆者は「Yの悲劇」でYADAの回数が108回であると他の方から知ったとき、面白いと同時に実は悔しいと感じていました。

自分は解釈や考察のオタクであると多少は自負していたので、まさかの同業者に先を越されるとは思ってもみませんでした。

そのような経緯もあり、「SIDE B」を初めて聴いたときは好きなノリの曲と思うと同時に「何かがある」と思わざるを得ませんでした。音楽的知識も文学的知識も乏しい筆者の唯一深掘りできる要素でもありますし。

そのような中で注目した電話番号の解析は、思わぬ収穫をもたらしたような気がします。歌詞だけでは補間できない要素や設定を得ることができました。

たった1つの番号からここまで考察できたのは、この番号を楽曲に取り入れた作詞作曲陣の世界観が凄まじく緻密だったからこそでしょう。特に「040」の由来を調査して判明したときは驚きを隠せずにいました。

並大抵の作詞作曲では、ここまで絞られた要素から鮮明な世界は描けないでしょう。

 

 

 

 

 

 

思わぬところに熱意はありました。降幡 愛さんが拡げる「降幡ワールド」に、今後も目が離せません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

P.S. 最近、降幡さんの発言に遠慮がなくなっているのが密かに嬉しい

SNSの更新頻度も上がってるし、あとは軌道に乗ったら完璧 (いちばんどうにもならないやつ)